なぜメンテナンスが必要なのか
インプラントは一生もつのかというご質問を受けることがあります。しかし、考えるべきは、「どうして歯を失ってしまったのか」ということです。インプラント治療が始まってから、40年程が経過した状態ですので、40年程度長持ちすることは実証されています。しかし、一生もちますか?というご質問には、40年程度持っている方もおります、と答えるほかはありません。
実際、インプラントに至る過程が、歯周病で歯を失ってしまった場合には、歯周病菌が存在し続けていますので、新たに入れたインプラントも歯周病のような状態になってしまう可能性があるのです。インプラントで歯肉炎にあたるものを、「インプラント周囲粘膜炎」といいます。インプラントで歯周病にあたるのを、「インプラント周囲炎」といいます。実はこのインプラント周囲炎が、インプラントをして5年経過したもののうち、20%くらい起きているというデータがでています。
つまり、インプラントも、天然の歯と全く同じように、歯科医院での定期メンテナンスを受けなければ、歯周病のようになって、再び失ってしまうことにもなりかねないのです。また、インプラント治療をしても、他に天然の歯が残っている場合には、余計に、天然の歯を守るためにもメンテナンスを受けるべきです。逆に言うと、しっかり定期メンテナンスを受けていればそれだけ長持ちさせることにつながります。それは、インプラントだけでなく、残された天然の歯にもいえることなのです。